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「そんなに緊張しても始まらないでおじゃるよ。別にオフェンスが苦手な訳では無いのじゃろう?」
成通さんがそのマロ眉を眉間に寄せ、苦笑しながら尋ねる。
まぁ、今までDF担当だったと言っても攻撃練習は普通にしてたし……。
だがそれは良いとしても、いきなり成通さんとツートップ組まされて心配点が無い訳が無い。
「でも、成通さんと上手く連携出来るか不安なんス……」
「そこはちゃんと練習したでおじゃろう?」
「たった二週間だけですけどね!!全く、何で自分がこんな目に……」
「そりゃあ、DFとしての能力が今度の新人に比べたら劣ってたから……」
「うるさいっスよ!!」
そう一喝したにも関わらず、ケタケタ笑う成通さん。
それを見ていると何だか怒る気力も無くして、思わずため息が漏れた。
ホントに、自分のDF能力が低くて配置替えされたのだろうか。
今度来た新人と言うのは、自分と同じくDFが得意の松田直樹氏の事だ。
ちょっと前まで松本山雅FCとか言うチームで活躍していたらしいが……。
蹴鞠をやった経験も無しにあの世代表入りするとは、時代も変わったものだ。
何せ、彼以外のあの世代表メンバーは皆、蹴鞠経験者なのだから。
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