イマガワイレブン

もう一つちなみに。

大会が終わった後、成通さんから祝勝会に誘われた。

でも途中で代表から外された分際で、どのツラ下げて祝勝会に行けと言うのか。

自分はその誘いを断った。

帰り道、はーちゃんと二人きりで歩いていると、何だか視界がぼやけて来た。

自分が泣いていると気付くのに、そう時間は掛からなかった。

｢大丈夫?｣

優しいはーちゃんが、こっちの顔を覗き込みながら尋ねる。

ここで弱気な面を見せるのもみっともなかったので、涙を拭いながらも、大丈夫と震える声で答えた。

心の中はちっとも大丈夫じゃなかったけど。

ここまで精神を追い詰められたのは、武田と徳川に駿河を挟撃されて以来だ……。

……そうだ、今から朝比奈泰朝んトコに遊びに行～こうっと。