夏い夏

9/10
前へ
/20ページ
次へ
『でも私はむしろ現実主義とかじゃなくて、う、なんだろ。そんな堅いのじゃないんだよね、ともかくさ』 考えるような彼女の瞳は自然と上を向いていた。それでもはっきりした答えは出なかったらしい、結果萩原は一人納得して僕にそれだけ言ってのける。 そんな彼女の態度に僕の顔は自然と苦笑う。 「よくそんな冗談言えるな、全く心外だ」 『いやいやそんな事ないっすよ。まじまじ』 「嘘っぽい…」 『信じてくれたって…、俺達友達だろ?』 「職権乱用だ」 『何職?』 「友職」 『なにそれ?』 「主に学校の自販機の抹茶オレを僕に奢る」 『まさに外道。…え、君抹茶好きだったっけ?』 「ん、一応」 『意外。てっきり浪漫チックかつ乙女チックに甘甘チョコレート系が好きなのかと思ってた』 「お前こそ外道だ!」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加