夏い夏

2/10
前へ
/20ページ
次へ
日本の原風景(冬)の見所は雪の影と朽ち葉のマッチ。 雪の柔らかさを表現するために用いた白の中にふわりと残る灰色はどことなく優しさが表れているような気がする。 そこに、そこにである。 枯れ木に残った最後の朽ち葉が北風と共にふわりふわりと音もなく舞う。 白と灰の中の侘しい茶。そう、これこそ原風景。 『……うむ、我ながらなかなかの出来だ』 「勝手にええ声でゆーな」 『あ、ばれた?』 「いや、心の声が漏れたかと思った」 『…ごめんなさい』 「ただの冗談だ」 『良かった、どこかで頭強打したのかと思った』 「………え(いや、てか誰だ)」
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加