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へぇ…何で戦ってるの?
五日前に魔の森を支配していた主が寿命により死亡
現在、主の争い中です
なるほどね、跡目争いか
…にしても激しいな 森が無くなるんじゃない?
森の主は森の頂点になる者
自らの全てを賭けて戦う事が優先されます
ふぅん…つまりお構い無して事か
異世界でもこんなんあるんだ
ありがとう もういいよ
いえ、またお呼び下さい
俺はゆっくりとグリフォンとフェンリルの亜種に目を向ける
雄々しいな、それにカッコイイ…
激しくなる一方の両者を静観していると、森から何かが飛び出した
ピンク色のスライム 丸々とした体にクリクリの瞳が可愛い
何より可愛いものが好きな俺は一瞬にして目を奪われていたが、それは驚きに変わった
紫「ちょっ、そっちは!」
スライムの体がバウンドし、グリフォンとフェンリルの亜種の間に転がり出てしまう
ヤバイ!
足に力を入れ、一気に木影から飛び出す
ピンクのスライムの元まで行くと、両者の攻撃の軌道を読み、両手で受け止めた
グリフォン「何奴(なにやつ)!?」
フェンリル亜種「何だ!テメェ!!」
同時に問われた言葉を無視して足元のスライムを笑顔で見下ろす
紫「大丈夫?怖かったな」
スライムはポカンとして見上げている
どう見ても人間の姿をした俺が何故こんな事をするのか理解出来ないようだ
見える範囲では怪我はなさそうだな
グリフォン「アナタ…何故邪魔をするんですか?」
フェンリル亜種「よくもオレ様の邪魔をしやがったな、ブッ殺す!」
外野…うるせぇ
見ろ、スライムが怯えてんじゃねぇか!
さっきから言われ続ける声に俺の中の何かが切れた
紫「テメェ等…ちょっと黙れよ」
俺の癒しを邪魔すんじゃねぇよ…
紫「可愛いものを愛でて…」
グイッと両手を後ろへ引っ張る
この時、グリフォンもフェンリルの亜種もうめいていたが、関係なかった
紫「何が悪いんだよ!!」
一気に二匹を投げ飛ばす
ドカァァァァァァアン
森の奥へ二匹が消えて行った
少しスッキリしたかなWWW
紫「さて…ねぇ、君、怪我はなかった?」
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