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俺の身体を誰かが揺すっている。揺するなと言いたくても、柔らかい睡魔の波が俺を包み込んでいる今…起きたく無かった。
だから二度寝の体勢に入ろうとした時、俺の身体を揺すっていた誰かが蹴ってきた。
「良いから起きろ!この糞ガキが!」
「わ、分かったから!起きるから蹴らないでくれ!」
「漸く起きたか。起きないから心配したんだぞ。…俺のサンドバックに使えないんじゃないかって。」
「それは心配してるに入らねぇだろ!」
「ん?そうなのか。」
「つーか、あんた誰?見ず知らずのイケメン野郎に蹴られる筋合いは無いんだけど。」
「誰って…神様だよ。一番偉い神様なんだぞ、俺は。」
「ふ~ん。だから?ていうかさ、あんたが神っていうなら二人の様子を見せてよ。」
「二人って、お前が死ぬ時に一緒に居たガキ共か?」
「あんた口悪すぎだろ。良いのは顔だけだな。」
「まぁ、よく言われるな…。」
「改善する気は?」
「無い。」
「ハァ。何でそんな口悪いんだよ?」
「何でって…皆が、あんたは一応私達の長なんだからもっとインパクトのある話し方してよ!
って言ったから、研究した結果がこれだ。一応頑張ったんだよ。人類の歴史を紐解いたり、アニメとやらを見たり…。」
「苦労してるんだな。」
「分かってくれるか!?」
「分かるから早く二人の様子を見させてくれ。」
「分かったよ。その前に…何でお前は唯野葡太に殺されてないんだ?」
気になって仕方が無いという様に聞いてきた内容に、俺は固まった。
「どういう…事だよ。」
「どうって…そもそも、お前は色々おかしいんだよ。
本来ならお前は、唯野葡太と“知り合いにすらならなかった”筈なんだがな。
それに、死に方は合ってるけど死ぬまでの経緯が違う。
運命をねじ曲げるなんてたかが人間如きに出来る筈が無い。お前は…何者だ?」
俺はノブとは知り合いにすらならなかった?それに運命とか…何なんだよ。
訳が分かんねーけど…気になっていた事を聞いた。
「そんな事より、あんたって本当に神様なの?俺が想像してたのと違うな。」
「酷すぎだろお前!」
「いやいや…神様ってさ、もっと威厳のある人で…近づく事すらできないって思ってたからさ。」
「まぁ…強ち間違っては無いが…話を戻すぞ。」
「え?」
詳しく聞こうと思ったけどはぐらかされた。
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