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「俺が神様らしくないのは置いといてだ。さっきも言ったがお前はおかしい。
普通の人間が運命に抗えると思うか？運命に抗えた時点で、お前はイレギュラーな存在なんだ。」
「ちょっと待て!運命とか分かんねぇけど、パラレルワールドとかって有るんだろ？
俺がノブと知り合った場合と違う場合に別れるんじゃないか？
あんたが知ってるのは知り合わなかった俺ってだけだろ？」
「そんな筈は無い。お前がアイツと“親友”になんてなる筈が無いんだ。
現にどの世界線でも…お前はアイツと知り合っていないし、此処に存在していない。」
「で、でも…。」
「それだけじゃない！何故お前の魂は人型を保っていられる!?
神の前で形を保っていられるなんて有り得ない。
どんなに強靭な魂でも、神と呼ばれる存在の前では消滅してしまうというのに…。
何故お前は普通に話していられる！お前は神以上の存在なのか？
ならば納得出来るが…。神の位に立つ我々は運命の影響は受けないからな。」
「は？」
「…運命は謂わば人生に於ける道標の様な物だ。
だから参考にはしても支配を受ける事は無い。分かるか？」
「何となく。」
「例えばだ。お前が俺のミスで死んだとしよう。」
「うん。」
「俺は怒りと悲しみに暮れるお前に力を与えた。だが、何を与えたら良いか分からなかった俺はお前に尋ねた。」
「何を？」
「お前が死んでしまったのは私の非だ。弁解のしようもない。お前を生き返らせる事はできないが力は与えられる。
私を許せとは言わない。だが、せめてもの詫びの印として力を贈らせてくれ。お前の望むすべての物を与えよう。さぁ、何が欲しい？」
「え？」
あまりに真剣な表情と声音で言うものだから、俺は聞き返す事しか出来なかった。
「そうか。不老不死になりたいのだな？ならば与えよう。お前に神の祝福と大いなる力を捧げよう。
こんな形で償えるとは思ってはいない。だが、私はお前の無事を祈っている。」
「ホントか？」
神様の雰囲気に呑まれて思わず聞き返していた。
「あぁ。我が生涯が尽きる時まで、お前にすべてを捧げると誓おう。」
俺の目の前に居るのは確かに神様だった。先ほどの男と同一人物だと思えない程に、目の前の存在には威厳と品格、格の違いが明確に見て取れた。
「俺はお前に力を与え、生涯が尽きるまでお前を見守った。」
「え？」
「だがな、それはいけないことだ。」
「なんで？」
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