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「なんでって…力を与えたらお前の肉体と魂は100%消滅するからだ。
最悪の場合、他の世界全てを巻き込んでな…。だからいけないことなんだよ。」
「それと…それと俺にどんな関係があるんだよ?
変な事言ってねぇで、早く二人の様子を見せろ!」
「駄目だ。これはお前が知っておくべき事だからな。」
「なんで?」
「…お前に二人の様子を見せた後、転生させるからだ。」
「は?転生…?」
「お前がどんな存在にせよ、何故か死後の世界に送れない。ハデスに頼んでみたが、無理と言われた。」
「それは成仏出来ないって事か?」
「そうだ。だから転生させる。お前にとってもその方が良いだろう?
さっき言ったのは異世界で生きるにあたっての忠告だ。」
「忠告?」
「あぁ。お前からは何か強大な力を感じる。だから他者に力を与えるのは容易だろう。
だが、強過ぎる力は破滅しか呼ばない。それを忘れるな。良いか?」
「…。」
「…混乱するのは分かるがそのまま聞け。
さっき言った様に強過ぎる力は全てを破滅に導いてしまう危険を孕んでいる。
だが心配するな。魔王と勇者の様に…彼方の世界はお前を暖かく迎えてくれるだろう。
勇者と魔王は、ある意味可哀相な奴等だ。
勇者召喚ってどうやるか知ってるか?」
「知らない。」
「だろうな。質問を変えよう。何故勇者は強いと思う?」
「特別だから?」
「…まぁ、当たらずも遠からずだな。勇者召喚は多大な犠牲を払うものだ。
勇者はな…基本的にお前等が居た世界から召喚される。
それはずっと続いてきた事だ。勇者は彼方の世界へ行った時点で、無関係の人間を既に五千人程殺してる事になる。
それを知らずに皆を守ると言ってる勇者を見る度に、何とも言えない気持ちになるんだ。
まぁ、アイツ等は…悪く無いんだ。本当に悪いのは……なんだ。」
何故勇者召喚の話をしたのかは分からないけど、何故か神様は悲しそうだった。
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