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「ったっくよ~。折角慰めてやったってのに、酷い奴だな!」
「拗ねるな拗ねるな!だからお前はガキなんだぞ?」
「だぁ~もう!何なんだよ!あんた…ぜんっ!ぜん!可愛くねぇな!」
「ハハハ。まぁそう言うな。これでも感謝してるんだぞ?今まで長年悩んできた事を、お前はあっさり解決してみせた。
正直言って驚いてるぐらいだ。俺の悩みはこんなに小さかったのかってな。お前の言葉…身にしみたよ。」
「?」
「何が正しくて間違ってるかなんて誰にも分からないだろって言われた時…何か救われた気分になったんだ。
神様が人間に救われるだなんてな!どっちが神様か分かりゃしねぇ。ありがとな。俺を救ってくれて。」
「人に礼言われんのは初めてだな。俺さ…口下手だから、慰め方とかよく分かんなくてな。
それでお前を傷つけたとしたら謝るよ。ゴメンな。」
「ハハハ。やっぱガキだな。「なんだとぉ?」こういう時ゃあ素直に聞けば良いんだよ。」
「そうなのか?」
「そうだよ。ほんと、不器用だな…お前も俺も。」
「お互い様だろ?」
「あぁ。ガキに慰められる日が来るとは思わなかったけどなぁ。」
「ムッ。」
「拗ねるなよ。そんなとこがガキだっていうんだよ。さて、俺も元気になったとこだし…お前に二人の様子を見せてやろう。」
「ホントか?」
「あぁ。だが、注意しろよ?俺達が話してる間に向こうでは少し時間が経ってるからな。
多分、今頃お前の葬式でもやってるんじゃないか?」
「え?」
「向こうとコッチじゃ時間の流れが違うんだよ。言わなかったか?」
「一言も言ってなかったぞ!」
「いやぁ~ゴメンゴメン。」
「ちょっと殴っていいか?」
「何で?」
「だってムカつくから。」
「悪かった!謝るから。」
「怒ってないから二人の様子を見せてくれ。」
「はいはい。【神の力】。」
神様が小さく何か呟いたかと思うと、俺は二人の前に立っていた。
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