怪死

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 私は、指定された駅前へ向かうと彼は、いつものように人混みを見つめていた。 「ごめんなさい。遅れてしまって……」 「……あっ、構わないよ。今来たところだから」  きっと、だいぶ待たせてしまったに違いない。返答までに時間がかかっている所を見るとかなり集中していたようだ。  彼は、自分が何も考えない過ごしたい時は、目に見たものを数えるという癖がある。  今日は、左右から来る人の男女比など考えながら過ごしていたのだろう。 「それじゃぁ、行こうか。」 「そうね。」  馴染みのお店へ向かう途中、近況報告をしながら談笑をしていた。 「それで……今は、何か追ってることあるの」  彼の名は、吉岡 清治。少々オカルト系の小さな雑誌社で記者をしている。毎回デマや見間違いの事件や情報が多いらしく記事には、苦労しているらしい
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