怪死

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「孤独死だから、一人暮らしは疑問に思わなかった。だけど、皆発見される約1ヶ月前には、家から一歩も出なくなる。そこに至るまでにまずは、何かに怯えるような仕草が増え……  人の顔も見れなくなり最終的に姿を見なくなる前には、詩を繰り返し呟き虚ろな目をしていたそうだよ。」 「それって、つまり……孤独死に至るまでに何かに怯え、強い強迫概念や極度の対人恐怖症を発症していたってこと? 」  でも、もしそうだとしても生きる上で必要な食事までなぜ絶ってしまうのだろう……狂水病? ……でもそれじゃ死因が餓死の説明が付かない……  そもそも今の時代に野良犬がそんなに多くいるだろうか 「それじゃ、完璧に説明が出来なくて困ってるんだ。ホームズ君」  彼は、苦笑しながら自分を笑って誤魔化していた。たぶん相当煮詰まっているんだろう… 「そういえば、この五人以外にも同じ死を遂げた人が居たの? 」 「あぁ……居たんだよ。四十年前に一人……69歳の女性が最初だ。共通点とぴったり一致するが彼女にだけ……1つ違うことがあるんだ」 「なら、ぴったり一致してないじゃない」  雰囲気を和らげようとツッコミをいれてみたがあまり効果がなかった 「これは、「鬼の仕業だ」「鬼に憑き殺される」」 と、時々、我に返ったように喋ったらしい……」
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