その1

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 入り口に立っていても目立つだけなで、アイラは仕方なくそこらの列にサッと混ざることにして、それから、自分のクラスの列を探すことにした。  男女が交互に並んでいるその塊の端から1クラスずつを数えていって、その視線が左側に移っていく。目の端になっても、まだ3年の列である。  1、2、3――と向こうの列の塊がよく見えなくなってきた。  なんだか、バカバカしくなって、アイラはそこで数えるのをやめてしまった。 (アホくさ――)  朝礼が終わって、生徒が動き出したその時に、またサッと列から抜ければいいだけのことである。  朝礼なんかに参加する気は毛頭なかったが、あのヤスキの念を押すように言った言葉が思い出されて、体育館など、今朝はつまらない寄り道をさせられてしまった。  面倒だから、ヤスキの忠告を無視して、本当に早退すべきだった。  お腹の痛みが増してきた。痛み止めも効かないなんて、今日は悲惨な日である。 (帰ろうかな……。痛い、もんね――)  はぁ…と、痛みが増してクラクラしてきそうだった。
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