2 とつぜん

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「高橋、聞いたか!?」 と棚田が言ってきた。 棚田浩司、俺と同じ高卒で去年この会社に同期入社したヤツ。 身長170センチ、顔十人並みの俺と違って、棚田は背は180センチ位といったところか。 髪は緩い天然のウェーブで、目は一重だけど大きくて、男の俺から見てもカッコいい部類に入ると思う。 だけど、俺はコイツのこと、あまり好きじない だって、女にちょっかいを出して、取っ替え引っ替えで、女なら誰でもいいのかってヤツ というか、俺と違ってカッコいいから妬みなのか? だから俺は 「あー? 何が?」とぶっきらぼうに答える。 「今年もクリスマスのバイトが入って来るだろ」 どんなコが入って来るのか楽しみとニヤけながら話す棚田。 俺は、お前みたいなやつはオンナに困ってないだろと嫌味を入れたくなる。 「ところでさぁ、何で断ったん?」 就業前、紙パックのいちごオーレを飲んでまどろんでいる俺に、タバコをふかしながら聞いてきた。 俺たちがいる場所は、勤めている会社二階の事務所脇の休憩所。 休憩所は、仕事場と事務所をガラス張りで仕切っていて、入口の自動スライド扉から事務所に入って、左側が事務スペースで、右側側が休憩スペース。
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