運命の日

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「はぁ……吐きそうだ……死ぬ……」 朝起きての第一声がこんなにネガティブなのは生まれて初めてかもしれない。 こんなネガティブなのは昨日2時間ほどしか眠れなかったせいかもしれない…… まぁ、それには深い理由がある。 「ま、真……起きたわね?」 「う、うん……ばっちり……」 僕が起きて数十秒。 まるでタイミングを見計らっていたように目の下にくまを作ったお母さんが僕の部屋に入ってきた。 「お母さん……死んだ魚のような目してるよ……?」 「そういう真だって牛乳をふいた雑巾のような目をしてるわよ……?」 「どんな目だよ……」 「「はぁ」」 一応突っ込むが全然元気が出ない。 そして二人して溜め息をつく。 ダメだ……緊張でもうダメだ…… そう、今日は人生がかかっていると言っても過言ではない日。 そう、高校の合格発表の日だ。
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