第一章~春~

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大学が終わって、また東雲駅に僕は戻ってきた。 また電車に乗り夕景<ゆうけい>駅まで戻る。 今日は帰りの電車に、「あの子」はいるだろうか。 電車がやって来たので、僕はそれに乗った。 いつもの癖でやはり3号車に来てしまう。 でも今日の帰りは… 「あの子」が居た。 もうちょっと座っていたかったが、小さな子どもが入ってきたので、席を譲ってあげた。 「次は夕景駅」 アナウンスがあり、駅に着いてドアが開いたので、そこで降りた。 ここからは自転車で家まで帰る。 自転車置き場に来て、自転車に乗ろうとしていたとき、僕は奇跡が起きた気がした。 「あの子」…最果 美空<サイ八テ ミソラ>…が居た。 話しかけるなら今だ! そう思った。 「あ、あの!」 「はい?」 「いきなりですけど… 友達になってください!」
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