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ガタン ガタン…
疲れた。
もう、12時過ぎ…残業長引いたわマジ。
でも、終電間に合って良かった。
……。
つくづく都会って所が嫌になる。
時間に人に仕事にすべてに終われて、誰のためでもなく、強いて言うなら社会の為にロボットのように働いて充電切れたら帰る。
都会の渦ってこれなのか?なんてね
「お、早部じゃん」
「ん、あぁ南葉」
高校の同級生の南葉。
たまに終電でがちあう。
「何元気無さそうじゃん」
「うーん、もう無理!って感じ」
「何お前まさか新入社員が抱くような悩み事か?俺って何のために~見たいな?」
「んー、そんな感じ」
新入社員…か。それもそうだもう入所9年目、もう割り切ってる歳だ普通。
「なぁ、何もかも上手く行かない時に限って仕事ばっか溜まって逃げ出したいけどやるしかなくて…そんな時ってどうすりゃいーの」
「やるしかないなら、やるしかないんじゃないの?へばってたって時間は止まんないし、逃げ出したって世界は回るよ。それでも自分は守んなきゃいけねーし、だからと言って投げ出して良いほど大層な人間でもない、だから、自分にできることをやれば良い。出来ないことは8割やって諦めろ」
正直本当に励まされた。
「それに例えばさ紙を切る作業をしてるとしよう。急いだって疲れる。けど、休み休みやってても、サボってるようで確実に紙を切る枚数は増えてるだろ?生き急いでもいいことねーよ、ゆっくりゆっくり、できないって思ったら諦めれその代わり8割は確実に仕上げろ全力をだせ。けど完璧は目指すな」
あ、降りる駅。
「次会うときは笑顔で居ろよな早部。じゃーな」
家に帰る途中涙が出た。
俺は俺で良いんだと少し笑える気がする。
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