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「ゆい…」
玄関を出たすぐ横の階段にゆいは座ってた。
「ごめんね…ほんとにごめんね」
震えてる目に見て分かるくらいに
「大丈夫」
座ってるゆいを後ろから抱きしめる。
「夜遅くまでって…連れ出したって…夜遅くに追い出したのは自分達の癖にね」
「俺はいいんだよ。少し歩こ…」
手を引いて近くの高台に登る。
二人で手すりに寄りかかって夜の街を眺める。
「気持ちいいね風」
「そうだな」
少し沈黙が流れる。
「なんで上手くいかないんだろうね」
「そうだな」
返す言葉がなくて。
「私はねただ真剣に向き合ってほしいだけなんだ…すぐに救い用ないとか、お前はそんな奴だとかさ…そんな言葉で片付けられるんだよね。その癖変なとこは親のふりなんかしてさ…暴力はするし、ご飯はないし、お金もないし、バイトは女が夜遅くにとかいってやらせてくれないし。縛るだけ縛ってさ…」
「うん」
「私はねただ普通の事が当たり前の事が当たり前にできたらって思うの。一緒にご飯食べてさ。たまにはテレビ見て笑いあったり」
当たり前か。
当たり前を当たり前に思うなってよく言われるけど当たり前の幸せを当たり前に求めるのはダメなのかな?
お母さんにご飯作って貰うのってダメなのかな?
当たり前に笑いあったらダメなのかな?
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