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「やっと見つけた…」
恋人の仇を目の前にサバイバルナイフをつきだした。
「殺すのか?」
「お前だけは…許さない」
あれから3年もう3年前のことだ。
こいつに殺された。
お腹に赤ちゃんもいた。
「お前に殺せるのか?」
「うるせぇよ!」
相手に向かって降り下ろしたはずの拳は顔の横にあった。
「全ての事には責任が伴う。殺れば必ず何かが返ってくる。等価交換ってやつさ。お前に殺せるのか?」
なにも言い返せなかった。何て口に出せば良いか分からなかった。
「お前は弱い人間だろ?臆病でちっぽけで恋人さえ一番傍にいたのに助けられなかった」
「…。」
「弱い人間だろ?」
そいつは俺を押し退けて立ち上がった。
そして首だけ振り返った。
「弱さも強さだと思うぜ…俺もやっと見つけた…ほらこの紙お前の餓鬼のいるところさ…名前は生(しょう)お前の嫁さんがつけた名前だ。今年で3歳になる」
俺は訳が分からなかった。
「お前の嫁さんは助けられなかった。けど最後までその子のためにがんばったよ」
「え?」
「その弱さ大事にしろよ。じゃぁな」
そう言うと走って屋上から飛び降りた。
ここはビルの8階確実に彼は死んだ。
今は子供と幸せにすごしてる。
銀行強盗と愛する人の間に何があったかはまた別の話…。
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