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おどおどとしている星花は、見るからに大人しそうな少女だった。
腰のあたりまである真っ黒で長い髪は、夜空にきらきらと輝く天の川のような光も持っている。
細身のわりに発育はかなり良く、少し動くたび、大きなカラーが特徴的なオリーブグリーンのセーラー服の胸が、ぽよよんと揺れている。
ひだの大きめなプリーツスカートの横には、やはりゴールドのラインが入っている。上品なこの制服は、星花のイメージにはぴったりだった。
「なに、柏木さん? 困らなくってもいいんだよ。答えなんて、おれには分かってるんだから」
あせあせと言い淀んでいる星花が、断るのが辛くてはっきりと言い出せない様子に、光輝の目には映った。
胸の光が一層強くなってゆく。光輝の顔は、下から不気味に照らし出されている。光の強さは心臓の鼓動に合わせるように、明滅を繰り返していた。
「あ、いえ。そそそ、そうじゃなくって」
星花は光輝の胸に注視したまま、いよいよ慌てだしていた。シアン色に染まる星花の顔は、もはやはっきりと恐怖を映し出している。
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