第一章

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「意味不明なこと言ってんじゃねぇ。世紀末なんて、もう四十年近く前の話じゃねぇか、アホが。とっとと帰るぞ、バカ光輝。  ……ち。お前なんかと組んでるせいで、ぼくまでまた引っ張られて……。くっそー、お前のクォーツとの同期、マジで解除してぇ。ああ、なんて色気のない世界なんだ。こんなとこ、一分一秒たりともいたくねぇ」  小室(こむろ)章太郎(しょうたろう)が、黒ぶちのセルフレーム眼鏡を、中指でくいっと押し上げた。  清潔感の溢れるさらさらの黒髪と理知的な雰囲気は、光輝とは対照的に、大人びて見える。  章太郎は光輝と同じ一六歳で、同じ高校に通うクラスメイトでもあり、“チームメイト”でもある。  章太郎も、海星学園の制服を着こんでいる。二年に進級して五カ月。光輝とは小学校からの腐れ縁だが、まさか“ここ”でも一緒になるとは、章太郎も思っていなかった。
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