第一章

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 ファンタジーな怪物や絶滅しているはずの恐竜たちが徘徊し、現代よりも遥かに進んだ文明を持つ者たちとも交流を持たざるを得なくなった日本は、もう元には戻れなかった。  政治は混乱し、経済もまるで見通しが立たない。  それは前世紀、人々が空想した“世紀末”の姿、そのものだった。  だが、日本人は逞しかった。  クォーツの共鳴により、人々には超能力が呼び起こされてもいた。  その力を研究利用、そして鍛えた日本人は、異世界からの珍しいものを捕え、加工し、輸出を始める。  これが世界的に売れに売れ、日本は再び経済大国としての地位を取り戻していた。
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