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「あっはっはっはっは。そんなこと気にすんなよ、章太郎。おれは平気だし」
「会話になってねぇ! もうヤダ、お前!」
章太郎はその場にへたり込んでいやいやと体を捩った。この怒りをどこにぶつけていいのか分からなくなったのだろう。
しかし、章太郎の言うことはもっともだった。
本来、海星学園クォーツ制御技術科の生徒は、最低でも三人編成のチームを作る。
これはダイバージェンス・クォーツの予期せぬ暴走に対処するという意味がある。
暴走の多くは、『次元転送』であり、『飛ばされる』ことだった。
チームメンバーの持つクォーツは同期していて、誰かが飛べばメンバーも引っ張られる。巻き込まれるメンバーには迷惑なことだったが、これにより、異世界からの生還率は格段に上昇した。
なぜなら、各々の能力により、出来ることが違うからだ。
光輝の念動能力は物理的干渉力においては最強だし、章太郎の感応能力無くしては、位置測定などの基本情報を得ることも出来ない。瞬間移動能力があれば、どこにでも行ける。
指向性が高い者はこれらのうち一つしか使えないが、チームはそれらも考慮した上で学園の教師が組み合わせを決定していた。
だが、光輝と章太郎は二人チーム。はっきり言って、二人は教師にも見放された存在だった。
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