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「で、その魔力の暴発を恐れた天帝があたしのストレスを解消するために制限を解いたの」
「....その場所がここパラレルエリア、7-7、七夕とやらってことか」
「そういうこと」
「馬鹿馬鹿しい。そんなものを信じる奴を見てみたいもんだ」
「まま、もうちょっと話を聞いてもらえる?」
「....良いでしょう」
とりあえずは聞いてあげよう。
「よし、じゃあこれ見て」
そう言いながら織姫さんはある物を取り出した。
「ってなんでフリップ?」
「私なりの遊び心」
歪んだ遊び心だ。
「失礼ね」
「心を読まないで下さい」
「あーもう、読まないからちゃんと聞いてて」
「はいはい」
僕の態度に不満げなようだったが話し始めた。
「何でここに私がここにいるか。それは二つの理由があるの」
そう言いながらフリップに書かれている豪華そうな屋敷の絵を指さした。
「ここは魔力の発散効率が良くて、彦星の家にも近い。だから、魔力の暴発も抑えられるの」
「それが第一の理由?」
「そう。でもう一つはこれ」
そう言って今度は天の川の絵を指さした。
「天の川?」
「そう。....実はね、ここに来たことがあるのは君だけじゃないんだよ」
「え?」
「毎日毎日、365日、イメージエリア、0―10、三途から1コから2コ、自殺した人の魂が流れてくるの」
「流れてくる?」
「ええ。自殺した人の心を浄化するためにここに流れてくるの。で、彦星がそれの管理を行ってるの」
「で、今日は僕だったと?」
そんな単純な理由でこんなところに....。
「まぁ、それもあるんだけど」
「ん?」
「....浄化っていうのは大体1日でできて、そのまま天国に送られるんだけど、浄化に二日以上かかる魂は一旦ここにとどまらせるの」
「まぁ、そりゃあ....」
時間がかかるときはかかるだろうけど....。
「それが?」
「で、さっきまで26の魂があったけど君が来てからその魂は全部天国に送られたわ」
「....へ?」
いきなり話題が....。
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