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「うーん、まぁ、この性格は徐々にでいいかぁ」
若干、ため息をつく織姫さん。
「で、魔力+αを選抜者にあげて、新しい世界で生き返ってもらって生きて貰うの」
「私利私欲のために使うかもしれないじゃないですか」
「大丈夫。一部、禁止していることとかもちゃんと決めてあるし、違反したら即イメージエリア、4-59、冥界に転移させられるから」
「そうだとしても、どうしてこんなことを....」
自殺者の魂に魔力を与えて....。
「....それは、自殺した人に真っ当な人生を生きて欲しいから」
微笑を浮かべつつも真剣な眼差しで言い切る織姫さん。
「自殺した人は様々な想いで自殺してるわよね?いじめ、恋愛沙汰、自分の存在価値。彼ら全員、重い責任や苦しみから逃げてくる。それを全て取り除いてあげるのが彦星なんだけど、それでも、完全に取り除けない魂もあるのよ」
そう言いながら天の川の上流に目を向ける。
その目にはうっすら涙が浮かんでいる。
「どうして救ってあげられないんだろう、どうして救えない魂があるんだろうって思い始めたのよ。そんな時、この制度を思いついたの」
そう言って、一枚の紙を取り出して僕の見せてきた。
そこには今までに見たことのない文字が細かく並んでいた。
「これは、ヤハウェ、閻魔に対して蘇りの許可を得た証明書。手に入れるのに二十年かかったけど、1人だけ生き返らせ、選抜者の生きていた場所以外での世界で生き返らせられるようになったの」
そう言いながら紙をしまった。
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