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―――――――――――――――――――――今年はこの子ね。
ん?
体が温かい。
死んだからなのか?
今まさに天に昇っているからなのか?
いや....この横たわった感覚は....
生きてるのか?
じゃあ、この温かい感覚は血か?
でも、痛みがない....
じゃあ、なんだ?
「江ノ島勇君。18歳。自殺原因は....なるほどね」
....だ、誰だ?
僕は薄く目を開けた。
だが、すぐ目を全部開いた。
目の前に満天の星空が広がっていたからだ。
いつも見ていた夜空とは比べものにならないほど壮大だった。
しばらく息をすることも忘れたように見ていた。
「目が覚めた?」
不意に声を掛けられた。
その声の方向を見ると一人の女性が立っていた。
白を基調とし、裾の部分などを金色の布を縫い付けた着物を着た女性。
黒髪ロングの美人。
それがそこにいた。
「おはよう」
........
「....誰?」
立ち上がり一歩後ずさった。
美人だろうと何だろうと知らない人物ほど危険なものはない。
大体僕は何で生きているんだ?
あのとき絶対に死んだはずだ。
何故、体を動かせ、しゃべれる?
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