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入学式
結構学校までの道あるじゃーん…
少しテンションが下がる
緊張する、なにもかもが初めてで
よしっ原稿を確認っと!
暖かな春の光に照らされ私達は
この私立中西高校に入学します。
三年間という短い時を有意義に過ごしましょう。
以上 一年○組 神崎美穂
クラスは学校に行ってから発表されるらしい…
美穂ーこっちこっちー
なんでそんなに汗だくなのー?
あっ梨穂子と由奈だ。
ごめーん!待たせた?
道が長くて長くて汗だくだよー
ううん、全然待ってないよ!
じゃ行こっか♪
学校の門をくぐる…
桜が舞っている
夢にまで見たこの景色
やばっ!あと十分しかない!
と梨穂子
えっ!やばいじゃん!
と由奈
体育館でしょ?こっちじゃない?!
と私
走る、とてつもないスピードで…
前から誰かくる…
入学式なのに二、三年生はいないはず…
ってことは
一年生?!同級生?!
かっこいい…
かっこよすぎる…
私は二度見した
何やってんの美穂速く速く!
あっ、由奈待って!
本当に私って情けない
その時そう思った
そして
私はその男の子に
一目惚れした
結果的には始まる三分前に席につく事ができた
危なかったー
まさか初日からとは…
梨穂子と由奈が笑っている
私も笑う…が…
私にはそーいう暇はないんだ!
練習しないとー!
!
原稿ー原稿ーあれっ?
まさかっ…落としちゃったー!
どしーよどーしよ!
アドリブとかー!
初日からなんでこうなるのー!
それでは、これより
私立中西高校入学式を始めます
生徒一同礼
生徒一同着席
緊張が高まる
えと…暖かな春の光に照らされ…
なんだっけーピンチだー
思い出せー美穂ぉー
どんどん司会が進んでいく…
最後に新入生代表挨拶を
一年二組 神崎美穂さんに言ってもらいます
私って二組だったんだ
クラス発表すら見てなかった…
そんなことを思いながら
返事をする
はいっ。
段を上がる持ち場につく…
深呼吸…
息を吸い、
暖かな春の光に照らされ……
会場のみんなが沈黙して私を見る
もう一度
暖かな春の光に照らされ
私達はこの高校に入学します
悔いのないよう、過ごしましょう
拍手が聞こえる…
後半はアドリブだった
恥ずかしくて顔が赤くなった…
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