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「女々しくてさ、みっともないよね? でもこんな俺だから、君の辛さも理解できると思った、会ってみたいと思ったんだ」
「どうして?」
「勘違いしないで欲しい、傷の舐め合いをしたいとか、君が可哀想だから会ってみたいと思ったわけじゃないんだ」
じゃあ何故?
「何て言ったら良いだろう、……ただ、ただ純粋に君が元気になって欲しいと思ったんだ」
私を見る真っ直ぐな彼の目で、彼の優しさなんだと分かった。
「そっか、ありがとう」
「友達から始めてみないか?」
「うん」
自分でも驚く程、素直に返事をしていた。
「でもさ、今時珍しくない?」
「何が?」
「友達からお願いしますって」
「あははっ、友達契約?」
「ふっ、なにその契約!!」
一度会ったら断わるつもりで会った筈のに、……笑いながらあの日契約したんだっけ。
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