first story

7/7
前へ
/12ページ
次へ
けど_____ 「ねぇ。嫌がってんのに無理やりってひどくない?」 急に現れたのは永島くん。永島くんは、折木くんをあたしから引き剥がすと、一発殴った。その姿は、とってもかっこよかった。永島くんが…助けてくれた? 折木くんは、逃げるように屋上から出て行き残るのは、力が出せなくてその場にへたり込んでいるあたしと、少し肩を上下して呼吸を整えている永島くんだけになった。 「大丈夫?なんともなかった?」 永島くんは、あたしを心配してくれた。優しい口調で話しかけてくれた。怖くて怖くて仕方なかったあたしは… 「ありがと…。ありがとう。永島くん」 泣きながら、永島くんを抱きしめていた。 「ちょっ!?笹原?」 戸惑いながらも、しっかり背中に手を回して抱き締めてくれている永島くん。その温もりに安心しながらも、あたしの鼓動は激しく高鳴っていた。普通に永島くんを抱き締めてるけど、すっごく恥ずかしい。顔は、今永島くんに見られたら絶対気づかれる。あたしが、永島くんが好きってこと。だから、 「ありがとう。永島くん。あたし、もう帰るね」 俯いたまま、永島くんから離れて、走って屋上を出た。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加