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けど_____
「ねぇ。嫌がってんのに無理やりってひどくない?」
急に現れたのは永島くん。永島くんは、折木くんをあたしから引き剥がすと、一発殴った。その姿は、とってもかっこよかった。永島くんが…助けてくれた?
折木くんは、逃げるように屋上から出て行き残るのは、力が出せなくてその場にへたり込んでいるあたしと、少し肩を上下して呼吸を整えている永島くんだけになった。
「大丈夫?なんともなかった?」
永島くんは、あたしを心配してくれた。優しい口調で話しかけてくれた。怖くて怖くて仕方なかったあたしは…
「ありがと…。ありがとう。永島くん」
泣きながら、永島くんを抱きしめていた。
「ちょっ!?笹原?」
戸惑いながらも、しっかり背中に手を回して抱き締めてくれている永島くん。その温もりに安心しながらも、あたしの鼓動は激しく高鳴っていた。普通に永島くんを抱き締めてるけど、すっごく恥ずかしい。顔は、今永島くんに見られたら絶対気づかれる。あたしが、永島くんが好きってこと。だから、
「ありがとう。永島くん。あたし、もう帰るね」
俯いたまま、永島くんから離れて、走って屋上を出た。
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