茶美の足あと

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 この学校にいることに対して、茶美自身、後ろめたい気持ちもあった。  しかしそれは、わたしがアイドルでごめんなさい、ということではない。授業にでたりでなかったり、また早退したりして、自分だけ都合よく学校生活を送っていることに対する罪悪感だ。  もしも、 「ごめんね、わたし、アイドルで」  と言って、自分を憎む人たちに申しわけなさそうにして謝ったとする。さわがせてゴメンね、と。  そうしたら、おそらく茶美は、クラスから、そして学校中から、抹殺(まっさつ)されるだろう。  軽はずみなことを口走ることはできない。余計なことは言ってはいけない。  そして何よりも、目立ってはいけない。  だから、学校では、片隅でそっと小さくなって、できるだけ人とかかわらないようにして、空気のように気配を消して生きることにしている。  それが、茶美の学校生活だった。  ハンバーガーでいいや、と、茶美は青山通り沿いのファーストフード店に入った。  気がつくと一時半を過ぎていた。まだお昼は食べていないので、お腹が空いている。  ハンバーガーを食べながら、携帯電話でブログの更新をした。 「これから、スタジオでライブのリハです。みんな、土日のライブ楽しみにしててね。ぜったいにもりあがるステージにしたいと思ってます。そのためにも、今日のリハ、ガンバってくるから! 週末に会おうね!」
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