出会いは突然

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どれだけの時間を話していただろうか? 時計の針を見てみると、既に30分はたっていた 話しはまだ尽きない 「音楽はどんなジャンルを聞くの?」 「ほとんど洋楽だよ。USAトップパレードとか見てるよ」 その頃、毎週大好きで見ていた洋楽番組の名前を言ってみた 「うぉぉぉ!俺も見てるよ」 「へぇー。どのミュージシャンが好きなの?」 「俺は、アールウィンドアンドマイヤーにはまってるよ でも、シャカタクも大好きだよー」 「へぇー。アールは知ってるけど、シャカタク?初めて聞いたよ。私はマイク・ジャクソンが大好きだよー」 「おぉ!マイクのダンスは最高だよね」 次から次へと話題が出てきて止まらない 「あ!ちょっと待ってて」 そう言い電話口を離れる彼 ふっと思った 私、何してるんだろう? いたずら電話なのに長話ししちゃって… はぁ……… 馬鹿みたい! いきなりテンションダウン 「ごめんごめん。友達が飽きて帰るって言うから玄関まで行ってきた」 テンションの変わらない彼が戻ってきた 「あのー、そろそろ電話切らなくちゃ」 さりげなく切り出した 「あぁ、そろそろ出勤の準備しなくちゃいけないね」 一瞬戸惑ったが、キャバ嬢を名乗ってたのを思いだし 「そだね。それじゃあね」 と電話を切ろうとした瞬間、彼が慌ててこう言った 「また、電話してもいい?俺、順って言うんだ」 うーん 沙羅は悩んだ でも、またこの声を聞きたい、話しも合うから楽しい 見も知らずの人だけど、なんかいい人そうだし 出した答えは 「私は沙羅って言うんだー。また電話していいよー」 「やったー!」 喜ぶ彼がなんか可愛く思えた 「それじゃあ、またね」 そう言って長い電話を切った 第一章、終。
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