12人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
「あの……生姜焼き弁――」
最後まで言い終わらないうちに、哲夫の蹴りが光一の腹をえぐった。
床にうずくまり、悶絶する光一の顔を、哲夫はスリッパで踏みつける。
「俺が食いたかったのは、焼肉弁当。――そう言わなかったか」
返事をしようにも、口元を強く踏まれて言葉が出ない。
どうやら間違って買って来たらしい。気をつけてはいるものの、いつも何か間違ってしまうのだ。そしてその度、ご褒美と称したいじめ、制裁が光一に襲い掛かった。
「す……すみません……すぐ取り替えて……」
最初のコメントを投稿しよう!