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…こまない、包み込まない。
運動場だろうか、吹き抜けで広い場所だった。受験生たちはとっくに椅子に座っており、
包み込むとすれば、時間になっても入試が始まらない苛立ちの視線だろうか。
入口のそばにはエデンの教師たちが奥の壇上に向かって横一列に並んでいた。
「遅刻だから、そのへんに二人とも立ってなさい。」
白衣が2人の背中を押した。
つんのめる感じで沈黙ただよう運動場へ入ると、申し訳なさそうに受験生たちの後ろへ回り、仕方なくその場で立ち尽くす、
のを見た白衣が黄色く笑って、
「ギャハハ!嘘ですよ嘘!そこらにあるてきとーな椅子に座れよクソバカ!」
白衣を揺らし、腹を抱えて崩れ落ちていた。
何が面白いのか2人にはわからず、視線だけをかわして、仕方なくそのへんの椅子に腰を落とす。
あの白を今にも赤にしてやろうかと考えたが、よくよく考えたらそれ以上に赤いのは自分たちの顔だろうな、なんてうまいことを思いついてしまったため、2人は奥歯を噛みしめるだけにとどまった。
ふぁ~ん…
ふぉ~ん…
キーン…!!
ガッ!ゴソゴッ!
「あーあー、」
マイクを確認する小さな銀色
と同時にざわつく会場。
ハイロはそばの金太郎に聞いた、質問はもちろん、
「あの子ども何だ?」
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