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「学園裏へようこそ」
アリーシア学園長の小さなつま先が揃った。
くるっと振り返り、スカートが広がる。
「あらためまして、あたしは学園長でっあーる。」
…何回も言う、この人さっきから。
「学園裏!」
両腕を開いて
「まあようするにあれだ、あの、なんか、ここでスポーツ、うんそうスポーツ、運動会とか、リレーとか、えーと、」
開いた両腕を閉じ、
顎に指を置いて、
「運動会ばかりじゃない、えーと、あれ、あのー、訓練とか…あ、けど訓練はさっきの武道場でやったり、けどここはね、あのー、戦形式の、ほら、あれ、」
何か言葉を失念しているらしい
「模擬戦?」
そばにいたメイド服の背の高いお姉さんがつぶやくと、
「模擬戦!あ、いや言おうとはしていたの、忘れてたわけではないの。シンシア、お黙り。」
シンシアの親切が遠くへ投げ飛ばされてしまった。
「ときとして、えへん!勇者はね、あのー、戦争とかにでるからさ、個人プレーとか?四人パーティー?関係ないから!だから戦術後のお勉強とかすっからへへへ!」
受験生たちの目の前でアカンベーをする学園長。
「学園長、そろそろ説明を…」
もうむしろこのシンシアさんに説明してもらいたい頃合いだ。
「うっせーなー自慢したいじゃんーうちとこの設備とかーいろいろをさー」
その頃ハイロは目の前の景色に目を奪われていた。
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