歌え、高らかに勇者の歌を

伝説のはじまり

勇者によって魔王が倒されてから15年。
10年続いた支配は歴代魔王の中でも最長であったが、それに終止符を打った七人の勇者がいた。その中のリーダー格であるウィルが戦いを終えて、故郷に帰ってきた時にとある予言を残す。

その予言はこうだ、
「魔王を倒したけど、同時にまた新たな魔王が生まれたわ。次の魔王はかなりヤバい。すぐには来ないだろうけど、いつも以上に準備をしておかなきゃならない」

根拠はあったらしい。
それが、どんな根拠かはウィルを含む七人の勇者たちにしかわからない。教えてくれない。

後にわかることだが、ウィルの予言は的中する。予言から10年後、世界の最果て～東の闇～にて魔王の存在を世界同盟機関が確認した。皮肉なことに、その魔王と対決することになる勇者は、前の魔王が倒された15年前に生まれた少年であった。

魔王確認から5年後、話は始まる。