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前夜祭が終わり、
片付けもまだ終わらないエデンの朝、入場門にはすでに勇者候補生入試の受験生たちが徐々に集まり始めていた。
中庭の芝生の上、
「ガリガリ…」
アリーシアが大の字で寝ている。
アリーシアだけではなく、在校生やお手伝いさんたちまで仲良く川の字で。
そのとき、番鳥として飼われているタタカイワシが巣箱から飛び出して寝ているアリーシアの隣に降りた。
大きく雄々しい翼を少し繕って、
首をキョロキョロ動かしたあと、
「…ん、痛っ、痛い、んにゃんにゃあ…」
黒いくちばしで頭皮をつついた。
「…たい、痛い、痛い痛い…」
まだつつく。
タタカイワシもイライラしてきたのか、徐々に勢いもテンポも速くなる
「痛っええ!!」
ビクッと後ろへぴょんとのけぞるタタカイワシ
「いてえ、いてえー、穴あく夢見たーいてえー」
上半身を起こし、両手で脳天をなでる
「ん、タタカイワシのヒコーキじゃないか。よしよし。」
ヒコーキという名前らしい。
ヒコーキのくちばしの裏をひとさしゆびでコリコリなでた。
するとヒコーキは片目をつぶり、快楽を得ているよ、と表情で見せた。
「あー」
それから腰のパンツのゴム跡を掻きながら、
「そのまま寝てしまったー」
あたりを見回して
「いやーみんな寝てるしー」
ようやく立ち上がり、
「ヒコーキ、あそんでほしーの?なして起こした?ん?」
今度は足の親指で頭を撫でた
タタカイワシにしてみたら何の指で撫でられようが屈辱感は特に無い。
ふわーあ
と、こぶしが入るくらいのあくびをかまして、
「まだねみーや、ベッドで寝よう」
と中庭を出ると、
「すみません」
と、中庭に続く廊下で人と出会った。
「候補生試験はどこで行われますか?」
アリーシアは愛想笑いをして中庭に急いで舞い戻って行った
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