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しばらくすると門のほうから威勢のいい声がたくさん聞こえてきた。
「コクリュウ一家のお通りだ!」
「どけどけ!」
その後すぐに物騒な顔をした大きな男たちが二列に並び、みな一斉に頭を下げた。10人一列だろうか?みな黒い服を着ている。
あぐらをかいて休んでいたハイロも興味深げにその光景へ視線を流した
「みんなァ、達者でな」
列と列のあいだを真っ黒が歩いて列に声をかけていく。
真っ黒、そう真っ黒だった。
列を抜けると、また真っ黒が現れて、
「お元気で、お嬢。」
「松、おやじを頼んだぜェ」
よく目を凝らすと、
最初に現れた真っ黒が、ショートカットの日焼けした女の子で、そのあとに現れた真っ黒がリーゼントで顔面傷跡だらけのおっさんだとわかった。
「コクリュウ組、戦争屋だぜあれ」
「すっげーあのコクリュウ組?」
「戦いあるとこにコクリュウあり」
「コクリュウ一家の人間も候補生になるのかよ…」
ハイロの周りの受験生が騒ぎ始めた。だがそのざわつきは一瞬でかきけされた。
「コクリュウ衆は一本槍ィ!あっしがクロウ・コクリュウと申します!」
腰を落とし、その女の子は上に向けた手のひらを前に差し出し、
「以後!お見知り置き!」
と、敵になろう受験生たちへ大声で名乗りをあげた。
「…。」
沈黙があたりをただよったあと、
クロウと名乗った女の子を置いてコクリュウ組の人間たちは退散して行った。
肝心のクロウはエデンの中へ進んで行った。
「へー、面白いな」
ハイロの好奇心にはいろいろあった、まずパッと見て周りが言う言わない関係なく彼女が強い人間だというのがわかるからだ。
黒い鉄造りの鎧を纏い、背中にこれまた馬でも斬りそうな黒い大きな鉄剣を背負っている。
そんな重装備にもかかわらず涼しく、美しい顔をしていた。けども気取るわけもなく、白い歯をよく見せていたし。
「クロウ、コクリュウか。」
不思議な余韻に浸るハイロを待ってはくれない第二の衝撃!
それはまぶしい衝撃だった!
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