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バシッ…バシッ…
「おい、いつまでへばってやがる。」
大柄な男は、まだあどけなさが残る少年に対し、これまた大きな棒で少年を叩いていた。
バシッ…バシッ…
「ちっ、今日はこれくらいにしといてやる。」
そう言うと大柄な男はゆっくりと部屋を出ていった…。
「うぅ…」
四方を壁に囲まれ、外の光すら入ってこない部屋。
少年はいつ頃からか、この部屋に住まわされていた。
来る日も来る日も少年は大柄な男と剣を交え、体力の尽きるまで戦いを強いられる。
そんな日々をもう何年も過ごしていた・・・。
いつの間にか眠ってしまった少年は扉の開く音で目がさめた。
これからまた、あの男と剣を交えてるのかと思うと、少年は何とも言えない気持ちにかられていた。
「おきろ。稽古の時間だ。」
男の声と共に、少年は恐怖からすぐに体を起こし戦闘態勢をとった。
「ほぅ、構えだけは2流にはなってきたな。」
そう発した男は直ぐに少年を目掛けて攻撃した。
キーン!
金属がぶつかる音が鳴り響くと、少年は壁に吹き飛ばされた。
それもそのはず、例え男の剣を防御したとしても、体格の差と力の差は歴然としているのだから。
「ぐっ」
少年は小さく声を発すると目の前の男を睨みつけた。
「なんだその目は!貴様は俺の有難い教育が嫌なのか?あぁ?」
大きな男はそういうとすかさず攻撃をしてきた。
少年はすぐに剣で男の攻撃を防ぐが、またもや吹き飛ばされた。
幾度となく続く攻撃をひたすら防ぐ少年
終わりの見えない教育
少年は永遠にも思えるこの時間を強制的に過ごしつづけた・・・
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