空と双子と日本刀

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中国 四川省 成都 「トーンばかりズルい…今日は私が兄さんと1日を共にする日」 ポヨン… ウハッ!左手に柔らかい感触が…なんてけしかrもっとやれ!! 「ベーッだ!私はあの日以来、お兄ちゃんだけの物アル!!」 キュッ… ちょっと!掌を太ももで挟むのは禁止ですよ! なんかもう両手に花ではなく、天国を感じる俺。 「二人とも喧嘩するなって。そのためにクイーンサイズの部屋を予約したんだ。 今日はずっと二人と一緒だぞー!!」 ザザザッ……… 突然物々しい雰囲気を帯びた黒服達が立ちふさがった。 「失礼ながらこういう者だ…」 「生憎、俺達は善良な市民なんでね。 マフィア崩れに用事なんかねーよ」 ヘオンは差し出された名刺を受け取る気もない。 「そっちになくてもこっちにはあんだよ! 元九龍雑技団団員。リュウ・ヘオン、トーン、ハオンの3名だな?」 「だったらどーするってのよ?」 「愚問だなぁ姉ちゃん。ちっちゃいのは胸だけじゃないみてーだな」 「ムキー!!気にしてるところをー!!」 「大丈夫…姉さんの代わりに私のを触れば良い…」 「ハオン!それはフォローのつもり!?それとも喧嘩売ってんの!?あんた!! 許さん…もう許さんからなお前達!!」 トーンが殺気を込めた目をマフィア達に向ける。 「気を付けろ…辻斬りトーン、魔駆りのハオン、幻惑のヘオン… 奴らいずれもただ者じゃないからな!」 「それでもやるの?」 ハオンが右手に錘を構え、左手でいくつかの木簡を抱える。 「まったく…なぜ負けるとわかってるのにやるんだ?アル…」 トーンが数珠丸を構える…がまだ抜く事はしない。 「くっ…怯むな!掛かれー!!!」 再び押し寄せる黒服の大群。 「はっきり行ってあんた達には怨みも歯応えも感じねーが…」 ヘオンは何も無い空間から日本刀らしき大太刀を取り出す。 しかし通常のそれとは違い神々しさすら感じる。 「神刀・天之羽々斬… 俺と妹達のイチャラブ道中を邪魔しようと奴ぁ…この俺が叩き斬ってやる!!」 ブワッ!! ヘオンの背中に一対の黒い翼が現れる! 「まったく…今日は朝まで楽しめそうだぜ!!!!」 ――俺達の宛のない放浪は続く。 それでも可愛い妹達が居れば、俺はそれだけで満足だ。 蝕まれる思考の中…俺はそんな事を考えていた。    完
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