空と双子と日本刀

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刀身が怪しく閃らめく… トーンは腰を低く落とし、数珠丸を丹田の位置から水平に構える。 そのまま弾丸の如く飛び出すと、すれ違い様に二人を切る。 そのまま急降下し、真下にいた男を踏みつけた勢いを利用し再び急上昇! 追いかけて降下して来た男達が反応するよりも速く、まとめて切り刻んで行く。 「中国4000年の歴史その二…秘剣・ツバメ返し!おかわりはいかが?」 「姉さん…まだ決着は付いてない」 ハオンだ。先ほど召還した聖獣・麒麟。 その背にはハオンの他にもう一人。屈強な武人らしき武骨な漢が跨っている。 獲物は方天画戟。間違いない。三国志の豪傑・呂布だ。 麒麟と共にハオンの舞に呼び寄せられて来たのだろう。 呂布の方天画戟が唸る! 真一文字に振り抜かれた戟をイナバウアーの要領で身を反らしやり過ごす。 そこからは斬撃の応酬。 方天画戟と数珠丸恒光… 両者の激しいぶつかり合いに金属音が響き、火花が散る。 増幅したエネルギーは空気を揺らし光さえも屈折させ、緑色の球形に広がって行く。 羽虫の群れのようにゾロゾロと湧いてくる男達は、近付く術もなく吹き飛んで行く! 「数珠丸!本気で行くわ!!」 トーンは懐から数珠を取り出すと、柄の部分にグルグルと巻き付ける。 「南無妙法蓮華経…南無妙法蓮華経…」 トーンが法華経を念じると同時に、数珠丸の刀身を眩い光が包んでいく。 やがて光の道は数十キロに達し、トーンが天高く掲げるとどんよりと空を覆っていた雲が晴れ、青い空が顔を見せる。 「数珠丸!全力なんだから!! 光粒子収束刀・雲散霧消けぇぇぇぇぇん!!!!!」 トーンが呂布を横薙に両断した! 『俺を越えるとは…見事だ強き娘よ!』 辞世の句を遺し消え去っていく呂布。 そして無数にいた筈の男達も"雲散霧消"の文字通り、跡形もなく蒸発してしまった。 「今日も姉さんの勝ちね」 「それよりもハオン!お兄ちゃんがいないの!」 「そういえばさっきの黒服集団…マフィアだった」 「何を冷静に分析してるのよ!早くお兄ちゃんを助けに行くのよ!!」
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