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それをまとめて数本掴み、八方の敵に向かい投げつける。
致命傷には至らずとも、ほとんどの敵を無力化させる事に成功する。
その隙を突いたヘオンは、1階部分に繋がる階段前で棒立ちしていた男に跳び蹴りを食らわし、そのままサーフィンの勢いで階段を滑走する。
途中ヌンチャクで青龍刀を受け止めるが勢いで鎖が千切れる。
すると手元に残った棒を男の鎖骨にぶつけ、代わりに青龍刀を引ったくる。
そのまま2、3人を斬ったところでボード役の男の勢いが止まり敵中の直中で停止する。
「秘技・地烈斬!」
そこにドンピシャのタイミングで駆けつけたのはトーン。
2階の通路から飛び降りると、元々演武用に使用する巨大な斬馬刀を渾身の力で叩き付ける。
その衝撃で付近の者は蹂躙された。
斬馬刀で正面に八の字の軌道を描き、頭上でプロペラの様に振り回す。その遠心力は凄まじく、風が渦を巻く!
上昇気流にあやかり大ジャンプを見せたのはヘオン。
群がるマフィア達の頭上を遥かに飛び越し、避難を始めていた団長に切りかかる。
「はあぁぁぁぁぁ!!」
ガキィィィィン!!!
極めて屈強な男が防御に入る。
ぶつかり合いキリキリと音を立てる剣と剣。
結局、あと一歩のところで逃げられてしまう。
「ぐあっ!」
剣を交えていた男が突然崩れ落ちる。
手にした手甲に鋭い鉄爪を装備したハオンだった。
「兄さん。団長を追って…ここは私たちがやる」
ハオンが四つん這いの猫のポーズを取ると、背中に装備したナイフが逆立ちハリネズミの様な姿になる。
トーンも斬馬刀を地面に突き立てると、代わりに数珠丸を抜刀する。
「お兄ちゃん早く行って!もしちゃんと捕まえてくれたら…私はお兄ちゃんだけの物になってあげても…良いんだから」
「それは反論せざるを得ない…」
「ありがとな。可愛い妹達…ちゃんと体洗って待ってるんだぞ!」
「さて、私たちが本気になった以上…ここがあんたちの墓場アル!」
ハオンのナイフがミサイルの様に射出され、トーンの日本刀が揺らめく…
戦場は阿鼻叫喚の様相を呈していた。
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