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陽の光が空に広がる春、男は俺の目の前に現れた。
『邪魔なんだよ、どけやゴラッ!!』
そう目の前に
『君らがどけばいいだろう。実際邪魔になっているのは君達だろ』
俺の名前は川丘 翔。風紀高校の生徒会長で、成績トップの根っからの優等生だ。
『いい子ぶってんじゃねぇぞ!!』
男は怒鳴りながら俺の胸ぐらを掴む。彼の名前は藤堂 鷹。この辺を占めている不良達の頭だ。
『お前達何してる?!』
先生が来たからか、俺に悪態をつき去って行ってた。
『大丈夫か川丘?』
俺は視線を先生の方へ移し、『大丈夫です』と、答えた。
放課後
『坊っちゃん、おかえりなさい!!』
俺は家がヤクザだったりする。
『翔!!また学校なんかに行ってたのか!!』
彼は俺の親父の川丘 源氏。俺に組を継いで欲しいが故に学校を辞めさせようとしている。
『当たり前だろ、最初にも言ったけど大学出るまでは絶対に継がないからな』
大学を出たら継ぐという条件で学校に行く許可を貰ったが、
『分かっているが、わしももう若くねぇんだ』
俺は返事の代わりに沈黙を返した。俺は制服を脱ぎそして、部屋着にしている着物に着替え、敷っぱなしにしている布団に倒れこんだ。
『散歩にでも行くか』
俺は立ち上がり、親父の部下の一人に出てくると報告し家の門を出た。
門を出た所にいたのは、藤堂だった。
『とっ藤堂?!』
藤堂は俺を見てた瞬間、固まったが、気味の悪い笑みを浮かべると携帯を取り出し写真撮った。
『何をするんだ?!』
『学校の生徒会長がヤクザだったとはな』
藤堂は俺を見て
『これをバラされたくなかったら俺の下僕になれ』
『誰がそんなっ!!』
俺が咄嗟に否定すると、藤堂は俺にさっき撮った写真を見せ
『お前に拒否権はない』
俺は返す言葉を失った。藤堂の言う通り俺に拒否権はなかった。
『分かった。頼むから誰にも言わないでくれ』
『じゃあ早速俺の家に来て貰おうか』
藤堂はそう言うと俺の肩を抱き、無理矢理俺を歩かせた。
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