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ふと目が覚めて、横を見れば当たり前のようにゆうりは隣で眠っていた まるで赤ん坊のように、両手の手首から上だけを布団から出しながら。 本当にこの子が、お母さんに見捨てられ、父親に虐待されて育ってきたのだろうか 一瞬そんな考えが浮かんだけれど、ゆうりの手首をみてそれは消された …そこには幾つもの切り傷があったから。 その傷は、ゆうりが死のうとした事実を物語っていた。 あぁ、こんなこと考えるのはもうよそう。 今こうしてゆうりは、"普通"、"当たり前"の生活をしているんだから。 点けっぱなしだった電気の紐をカチカチと二回引っ張って消した俺は、いつもより温かいぬくもりの中、再び眠りについた。
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