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「こんなとこ居たら風邪引いちゃうよ?家は?」 「お家、帰りたくない、から…」 「んー…じゃあとりあえず俺ん家来な?こっから近いからさ」 ポケットに入れておいたハンカチで彼の濡れた顔を拭くと、彼は弱々しく首を横に振った 「僕を助けて、君が得すること、何もないから…」 「得とかそういうの、考えてないから俺」 だからほら、そう言って手を差し出すと、少し経ってから俺の人差し指を力なく握った。
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