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「「「ッ!?」」」
魔法陣!?
俺はそれが魔法陣であると意識した瞬間に、何故かその魔法陣が勇者召喚用の魔法陣だと反射的に決めつけて、その場から走り出した。
魔法陣が出現した場所はさっき小さな光が見えた場所だった。
つまり、俺の直ぐ近くだったのだ。
それならわざわざ後ろに跳ぶより前に走った方が早い。
俺はこれ以上アイツ等の引き起こす面倒事には関わり合いたくないのだ。
それに剣と魔法の世界に行くなら、せめてその世界で学園モノっぽいことがしたい。
勇者になって魔王討伐するなんて面白くも何ともない。
第一、俺が行った所で向こうの人より強くなれるなんて都合のいいことなんて起こる訳がない。
だから逃げる。
俺は驚いて固まっている優希と桜の横を走り抜け、魔法陣の外に出た。
これで、とりあえず巻き込まれる心配はなくなった。
しかし、ここで予想外の事が起こった。
俺が横を通り過ぎた事で優希と桜の二人は硬直から復活し、俺の後を追う形で駆け出したのだ。
別にここまでは良かったのだが、二人が動いた事に連動するように魔法陣も移動し始めたのは戴けない。
「おい!お前等ついてくんな!」
「あの魔法陣が追ってくる限りそれは無理だよ!」
「何が起こるかも分からないから逃げてるの!爆発したらどうするの!?」
「何処からの知識だ、それは!!」
叫び合いながら走っているといつの間にか俺と二人の距離はほとんど無くなっていた。
身体能力は面倒事に巻き込まれ続けたせいで鍛えられたからそれなりに自信はあったのだが、コイツ等には及ばなかったようだ。
そして、此処に来て更なるアクシデントが起こる。
俺達を追う魔法陣が急に速度を増し、一気に俺達の真下まで移動したのだ。
「なっ――」
そして、その瞬間魔法陣は強い光を放ち、俺の意識はそれの光を最後に強制終了されたパソコンのようにブツッと途切れた。
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