在来転生者

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気がついた時には真っ白な空間にポツンと一人で立っていた。 あれ? もう一度ぐるりと周りを見渡してみるが、祭壇も魔法陣も扉も壁すらもない。 どこまでも真っ白な空間が広がっているだけだ。 そして、騎士も居なければ、お姫様も王様も優希と桜も居ない。 「何処なんだ、此処は?」 「神の間……というのが適当かな?」 「……何処なんだ、此処は?」 「あ、あれ?」 俺は何も見てない。 さっきまで居なかった筈のコスプレした金髪イケメンがスゲー決め顔で神の間とかおかしな事を言ってた所なんて見てない。 「しっかりと見てるじゃないか!」 なんてこった。うっかり口に出していたらしい。 最悪じゃねぇか。くそ、なんとかこんな頭のおかしい奴と知り合いだと思われないようにしないと。 とりあえず、無視しよう。 「ドコナンダ、ココハー?」 「うわ!凄い棒読み!っていうか無視しないで! 君だって勇者召喚に巻き込まれた筈なのに王城じゃなくて、こんな真っ白な所に居る理由が知りたいんじゃないの!?」 「っ!?」 今、確かにコイツは俺の心を読んだ。 何者だ、コイツ。 いや、コイツは、まさか―― 「そう、僕は神!」 「そうか。変態か」 「今、神だって言ったよね!? なんでそんな真面目な顔して、『そうか。変態か』なの!?おかしいよね!?」 「おかしいのは、お前の頭だ。 神なんて居るわけないだろ。 それでも、神だって言うなら証拠でも見せてみろよ」 「証拠って?」 「奇跡でも起こしてみろよ」 まぁ、無理だろうけど。
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