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「はっ?」
何を言われたのか理解出来ずに変な声を出して、しまった。
「死んだんだよ。君は。
いや、もっと具体的に言うと勇者召喚による次元転移中に弾かれて次元の狭間に放り出された事で、肉体が消滅したと言った方がいいかな?
だから、僕は君の魂が狭間の障気によって、邪悪な存在に変異してしまう前にその狭間から此処に移したんだよ」
「それは……マジな話なのか?」
口の中が渇く。神の話を信じるならそんな体は無い筈だが、実際は口の中はカラカラだ。
そして、頭の中に肉体の消滅を否定する言葉が次々に浮かんではそれを口に出す前に消えていく。
まるで、俺自身がその事を一番理解しているのだから今更否定するのは馬鹿馬鹿しいとでも言うように……。
「僕は君に対して嘘を吐く理由が無いよ。そんな事をしても誰も得なんてしないしね」
「……」
鈍器で殴られたような衝撃を食らった。
何を言えばいいのか分からない。
「僕が言っても仕方のない事だと思うけど、そんなに気を落とさないで」
「そんな事言われてもさ」
落ち込むなという方が無理だ。
怪物になっちまうのも御免だが、それで死んだショックが無くなるわけじゃない。
「ほら、元気出してよ。
君はこれから第二の人生を歩み始めるんだから」
「へっ?」
第二の人生?
「さぁ、神谷 零斗君!
在り来たりな転生物語の主人公として異世界に転生してみる気はないかい?」
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