プロローグ

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アーハハハハハッ!アーハハハハハッ! 「怖いわ!」 L5な笑い声をあげる目覚まし時計を殴るように叩いて音を止める。 時計に表示されている時間は07時00分。 タイマーをセットした時間ピッタリだ。 確かにキャッチコピーにあった『どんなに寝起きの悪い貴方でも一発で目が覚めます!』の通りだ。 今みたいな狂気を孕んだ笑い声を枕元で聞いた日には四年に一回しか起きない人でも飛び起きるだろう。 しかし、心臓には半端なく悪いだろうけど。 「ふぁぁ……あー、眠い」 かといって、此処で二度寝するわけにもいかない。 今、二度寝すれば確実に学校に遅刻するからだ。 一応、無遅刻無欠席の皆勤を続けているのだから此処でその記録を途絶えさせるのを俺は良しとしない。 「とりあえず、朝飯食うか」 部屋から出て、一階に降りて、ダイニングで食パンをトースターに入れる。 パンが焼けるのを待っている間に冷蔵庫からカフェオレとジャムを取り出して、リビングのテーブルの上に置き、コップを食器棚から持ってきて、カフェオレを注いだら、カフェオレを冷蔵庫にしまう。 余った時間はソファーに座って、テレビを見ながらパンが焼き上がるのを待つ。 因みに両親は仕事で1週間程帰ってきてないし、姉貴は県外の大学の学生寮で生活しているので一時的とはいえ、一人暮らしのような状態だ。 ぼーっと、朝のニュース番組を見ているとチン!という甲高い音がなった。 このままぼーっとしているとパンが漆黒に染まるのでパンを取り出しに行く。 取り出したパンにジャムを塗って、それをテレビを見ながら冷めない内に食べる。 「我ながら味気ない食事だな」
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