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レイトside
「うー、あー、頭がガンガンするー」
俺がこの世界に転生してから5年の歳月が流れた事で俺の記憶と意志が呼び起こされ、自分に掛かっていた魔力封印も自動的に解除された。
まぁ、一気に記憶が戻ってきたせいで現在進行形で激しい頭痛に苛まれる羽目になったわけだが。
自動的に解除された事で魔力が暴走しなくて良かった。
今の状態じゃとても暴走した魔力を制御するなんて出来なかったから。
「くそ……あの野郎、今度会うときが有ったら、あの羽根むしってやる……絶対にだ」
ベッドに寝そべりながら憎々しげに呟いた。
そして、そのまま暫くの間ベッドに横になっていると少しずつ頭の痛みは次第に収まっていった。
「あー、死ぬかと思ったぞ」
『やぁ、上手く起きれたみたいだね』
「っ!?」
頭の痛みが収まり、上半身を起こした俺の頭の中にさっきまでいつか報復してやろうと思っていた神の声が響いた。
そのタイミングの良さといきなり声が聞こえた事に同時に驚いて思わずビクッとなってしまった。
『そんなに驚かなくてもいいじゃないか。
あぁ、そうか。君はまだ魔法を使った事が無かったね。ごめんごめん』
『おい、羽根むしりに行ってやるから、お前の居る場所への行き方教えろよ』
わざとらしく謝る神にムカついたので、念話のやり方を世界の知識から引っ張り出して、さっきまで考えていた事をそのまま神に伝える。
『ひゅい!?ご、ごごごめんなさいぃぃ!!それだけは勘弁してください!』
今度は割りとマジに謝る神。
羽根をむしるとという言葉にやけに反応したな。
昔なんかあったのか?
まぁいいか。
『それで?こんな真夜中に一体何の用だ?』
部屋にある時計は0時20分を少し過ぎた辺りを指していた。
当たり前だが、今の俺のような5歳児が起きている時間じゃない。
『特に用は無いよ。ちょっとした野暮用のついでがてらの様子見だよ』
『んじゃあ、切ってもいい?』
『うん、いいよ。
それじゃあ、これから大変だろうけど頑張ってね』
『あぁ』
短く返事をして念話を切り、布団の中に潜り込んで目を閉じる。
すると、直ぐに夢の中へと誘われた。
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