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「さて、朝食も食ったことだし、二人の魔力でも測ろうか」
厨房の手伝いをして若い執事とメイドに食器を渡した父さんが振り返りながらそう言った。
余談だが、この家に居る使用人は、今、厨房で食器を洗っている若い執事とメイドの二人と料理人が三人だけだ。
他の(といっても六人だが)使用人はこの家から3km程東に行った所に在るじいちゃんとばあちゃんの家に居る。
何でも父さんと母さんが結婚した後、新婚の二人を邪魔するのは悪いからといつの間にか建てていた家に引っ越す際に父さんと母さんに歳の近い二人の使用人と三人の料理人を残し、それ以外の使用人を連れていったらしい。
閑話休題。
しかし、魔力の測定か。
父さん達は俺の魔力と属性についてどういう反応を示すのだろうか?
あり得ないとは思うが、急に態度が冷たくなってしまったりするのだろうか?
「…そうだね…。
…二人とも…頑張ってね…」
母さんは微笑みを浮かべながら、俺とマリーの頭を優しく撫でる。
「うん!がんばる!」
「……うん」
元気良く右手をピンと伸ばして返事をするマリーとは対照的に頭を撫でられるのが少し照れくさくて俺は小さめの返事を返した。
「よし、ちゃんとついてこいよ」
そう言って、父さんは俺達を先導する形で歩き出した。
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