プロローグ

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玄関先で出会った二人の幼なじみ綺堂 優希と司葉 桜。 優希と桜は、成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗という言葉をそのまま体現したような所謂完璧超人だ。 こいつ等を見てると天はなんとやらの諺は嘘だと言わざるをえない。 俺を見つけて無邪気に笑顔見せている優希の容姿を説明には、一言で事足りる。 つまり、イケメンだ。 黒髪黒目の中肉中背。 目は若干たれ目でそれが何とも優しげな雰囲気を醸し出している。 ちなみにコイツの体は見た目以上にしっかりと鍛えられている。 んで、俺に嫌悪ではなく、何故かライバルの女子に向けているのと同じ警戒の視線を向けてくる桜は、属性デレデレ系幼なじみの美少女だ。 腰の辺りまである黒髪。 こぼれ落ちそうな黒真珠を思わせる瞳。 そして、バランスの取れた体つき。 多分、そこらへんのアイドルよりよっぽど可愛らしい容姿をしている。 スカウトとかも町中を歩いているとあるらしい。 そんな完璧超人のコイツ等の欠点は優希はありがちな鈍感属性、桜は優希に関する事にのみ訳分からん思考が発生する事だ。 この前は俺と優希が実は薔薇な関係なんじゃないかと俺に問い詰めてきた。 疑いは解いた筈だが、今の感じを見るにまだその疑いは完全には晴れてはいなかったようだ。 「違うからな」 とりあえず桜に向けてジト目で釘を刺しておく。 「えっ、何が?」 「お前には関係ねぇよ」 訳が分からないといった顔で聞いてくる優希にそれだけ言って、学校に向けて歩き出す。 「あっ、待ってよ!零斗!」 「嫌だね」 お前と居ると面倒事に巻き込まれる確率が明らかに上がるんだから。
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